京都にある京都御所について紹介します。
皇室の伝統と格式を今に伝える空間です。
この記事の概要
京都御所の見どころと感想

京都御所はどんなところ?
京都御所は、平安時代から明治初期にかけて、歴代天皇が暮らし、儀式、公務を執り行っていた場所です。794年の平安京遷都当初、天皇の住まいである内裏は別の場所にありました。しかし、幾度となく火災に見舞われ焼失を繰り返す中、1331年に光厳天皇が現在の場所に仮の御所として移ったのが、今日の京都御所の始まりです。
その後、歴代天皇の宮廷として定着していった御所は、織田信長や徳川幕府の手厚い支援を受けながら、美しく整備され、次第に拡張されていきました。現在の建物群は、1855年の安政度造営によって建てられたもので、平安時代の儀式や建築様式が忠実に再現されています。明治天皇の東京遷都により御所としての役割を終えた後も、その格式と文化は、現代に至るまで大切に守り継がれています。
京都御所へのアクセス(行き方)
京都市営地下鉄烏丸線今出川駅6番出口より徒歩約5分。
京都市営地下鉄烏丸線丸太町駅2番出口より徒歩約15分。
見どころ・感想
宜秋門(ぎしゅうもん)

京都御所の西南に位置するこの門は、上皇や宮家、公家といった高貴な身分の方々が参内する際に使用された格式高い入り口です。「公家門」とも呼ばれ、特別な身分を持つ人々だけが通ることを許された象徴的な門でした。
身分によって使用する門を厳格に区別していた点に、当時の宮廷文化の奥深さが垣間見えます。
御車寄(おくるまよせ)

御車寄は、高位の訪問者が御所に入る際の正式な玄関口として機能し、牛車や駕籠から降りて建物内へと上がる儀礼的な空間でした。
大正時代以降になると、馬車や自動車にも対応できるよう構造が整えられ、時代の移り変わりとともにその役割も柔軟に進化してきました。
諸大夫の間(しょだいぶのま)

参内した人々の控室として使われ、身分に応じて「虎の間」「鶴の間」「桜の間」という三つの部屋に分かれています。各部屋には品格ある美しい障壁画が描かれ、当時の芸術と格式を象徴する空間となっています。
使う部屋が身分によって明確に区分されていた構造からは、宮廷社会の厳格な序列制度を垣間見ることができます。
回廊(かいろう)

紫宸殿を取り囲む優美な回廊は、儀式が行われる南庭と建物群を結ぶ重要な役割を担ってきました。
この回廊は、古代の朝堂院建築様式を模して造られており、即位礼や大嘗祭といった国家の重要な儀式が執り行われる荘厳な舞台を形作る不可欠な建築要素として機能してきました。
紫宸殿(ししんでん)

御所の中で最も格式高い正殿として、天皇の即位礼や立太子の儀などの国家的行事が行われてきた神聖な空間です。
平安時代の建築様式を踏襲した檜皮葺と素木造りの構造が、簡素ながら威厳ある佇まいを保ち、古来より続く伝統と美意識を今に伝えています。
清涼殿(せいりょうでん)

かつては天皇の日常生活の場でしたが、のちに御常御殿が設けられてからは主に儀式のための御殿となりました。室内には昼御座や御帳台が置かれ、宮廷の政務や儀式が執り行われた神聖な空間として使われてきました。
『枕草子』にも描かれる由緒ある舞台であり、歴史の重みを今に伝えています。
小御所(こごしょ)

中世からの長い伝統を持つこの建物は、上段・中段・下段という三つの高さに分かれた畳敷きの間を中心に構成されています。
武家との謁見の場として使われただけでなく、王政復古の大号令が発せられた「小御所会議」の舞台ともなり、日本の政治史における転換点を見守ってきました。
御学問所(おがくもんしょ)

江戸時代に建てられた格調高い書院造りの建物で、天皇の学びの場や、親王宣下の儀式の場として用いられました。
畳が敷き詰められた室内には洗練された違棚や障子が配され、日本の伝統美と実用性を兼ね備えた優美な空間として大切に保存されています。
御池庭(おいけにわ)

小御所の東側に広がる美しい池泉回遊式庭園では、緑豊かな芝生と白砂の州浜が水辺の風景を優しく彩っています。
小島々を結ぶ石橋や風情ある欅橋が設けられ、四季折々の表情を見せる庭園は、静寂と優雅さが調和した心安らぐ空間として、多くの人々に親しまれています。
京都御所の基本情報
京都御所の場所の地図は以下の通りです。
住所 | 〒602-0811 京都府京都市上京区京都御苑内 |
参観時間 | 9:00~16:20 |
休み | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、他 |
参観料 | 無料 |
HP | https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/ |
おわりに
以上、京都御所についての紹介でした。
京都へ行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。