先日、韓国に行った際、DMZ・板門店観光ツアーに参加してきました。今回はツアーの予約から当日の様子までをレポートしたいと思います。
板門店ツアーは、2018年10月から中止になっていましたが、2019年5月に再開されたばかりで新しい動きも出てきています。
はじめに
ご存知の通り、1950年に勃発した韓国と北朝鮮による朝鮮戦争は現在も終結していません。1953年に休戦協定が結ばれ、休戦時の前線である北緯38度線付近を軍事境界線と定め南北二か国に分断されています。
そんな朝鮮半島の歴史の一端に触れる場所に行くことができる板門店ツアーがあります。
板門店(パンムンジョム)は、韓国軍・国連軍と北朝鮮軍が共同で警備を行う共同警備区域(JSA: Joint Security Area )内にある南北分断を象徴する場所で、南北両国の会談が何度も開かれています。
板門店は個人では行くことができずツアーでのみ訪問できる場所です。
板門店ツアーについて
この板門店ツアーですが、2018年10月からツアーが中止となっていましたが、2019年5月よりツアーが再開されたということで、急遽申し込み参加してきました。
以下、板門店ツアーについての一般的な情報をまとめています。
ツアーの種類や料金
板門店を訪問するツアーは、板門店のみを訪れるツアーのほか、板門店と第三トンネルなどのDMZも同時に訪れるツアーや、逆に、DMZのみを訪れるツアーなど種類がいくつかあります。
北朝鮮亡命者と一緒に行くというツアーもあるようです。
料金は、板門店のみのツアーで85,000w(約8,500円)、板門店とDMZのツアーで130,000w(約13,000円)程度です。
同じ場所を訪問するツアーであれば、どの旅行会社で申し込んでも料金に差はほとんどないです。
申し込む時期などによっては、すべてのツアーの募集は行われておらず、申し込みできるツアーが限定されているということも多いようです。
予約方法
板門店ツアーは、以下のような旅行予約サイトで、通常の海外現地ツアーを申し込むのと同じ要領で簡単に予約することができます。
ただ、これら旅行会社はあくまでも予約の窓口になっているだけで、実際に現地でツアーを催行する会社は別になります。
板門店ツアーを催行するのは、以下の4社です。
上記現地ツアー催行会社のホームページからも直接予約できます。
繰り返しになりますが上記HISやJTBなどの日本の旅行会社からも予約することはできますが、現地の会社が催行するツアーに参加するということになります。
予約する際の注意点など
申し込み前に板門店ツアーには以下のような制限があるので確認しておきましょう。
- 当日はパスポートを持参
- 11歳未満の子供は参加不可
- 服装の制限あり
- 参加前の飲酒禁止
- 写真撮影の制限あり・・・など
実際に予約する際に、いろいろ見ていて分かったのですが、DMZのみのツアーは数も多く比較的参加しやすいように感じました。
しかし、板門店のツアーは、時期によってツアーそのものがすべて中止になっていたり、参加できる曜日が限定されていたり、さらには予約の枠が早い段階で埋まっていたりと、参加する時期とタイミングにかなり左右されるという印象を持ちました。
自分の参加したいツアーに、いつでも参加できるわけではないということですね。
板門店ツアーは、日曜日、月曜日、祝日は不催行になります。土曜日は一部の旅行会社でのみ催行しています。また、国際情勢・軍事情勢などにより急遽不催行となる場合もあります。
どうしても参加したい場合は、なるべく早い段階で情報収集しておきツアー申込の募集が開始されたらすぐに予約しておくことをおすすめします。
また、特定の予約サイトやツアー催行会社にこだわらず参加可能なツアーを探してみるのもよいと思います。たとえば、ベルトラではツアーの申し込みができなくてもJTBなら申し込みができたり、KTBでは募集していなくても中央高速観光では募集されているということも実際に確認しました。
ツアーのスケジュールや予約状況などを確認したい場合は、現地ツアー催行会社のホームページで確認できます。
上のカレンダーは、中央高速観光のものです。
ツアー当日の様子のレポート
それでは、ここからはツアー当日の様子を紹介していきたいと思います。
今回参加したツアーについて
今回参加したツアーはKTB(大韓旅行社)が主催するツアーです(下記リンク先はKKday)。
【日本語ガイド】韓国:38度線・板門店を訪ねる1日ツアー(ソウル出発) 板門店+第3トンネル観光プラン (07:40 ソウル プレジデントホテル President Hotel 乗車)
訪問する場所の順番については参加日当日の状況によって多少入れ代わる可能性があります。
現地集合から出発まで
当日は、ツアーを催行する旅行会社のオフィスが入っているプレジデントホテルに集合ということになっています(※板門店トラベルセンター以外の3社はプレジデントホテルにオフィスがあります)。
集合時間は朝7時台とけっこう早いです。
以下、プレジデントホテルの場所の地図になります。
集合場所のプレジデントホテルへの行き方
プレジデントホテルの最寄り駅は、地下鉄2号線の乙支路入口駅(ウルチロイックえき)もしくは地下鉄1号線、2号線が通る市庁駅(シチョンえき)です。
今回の韓国滞在は、地下鉄2号線沿いのホテルに宿泊していましたので、乙支路入口駅から行くことにしました。
乙支路入口駅で、電車を降りたら8番出口を目指します。
改札を抜けて8番出口に向かって歩いていきます。
8番出口はこのエスカレーターの右側です。
こちらが出口です。
8番出口を出ると、左手にロッテホテルがあるのでその通りをまっすぐ進みます。
ただまっすぐ歩いて行くだけなので迷うことはないと思います。
歩いて約5分程度でプレジデントホテルに到着します。
旅行会社でチェックイン
プレジデントホテルに着いたらツアーを予約した旅行会社のオフィスへ行きチェックインします。
入り口を入って、左手にホテルのフロントがあり、そのフロント正面にエレベーターがあります。
KTBツアーは10階です。
オフィスの入り口を入って右側の部屋に受付カウンターがあります。チェックインはスタッフにパスポートを提示すればOKです。
チェックイン時に自分が乗るバスの番号や座席番号を教えてもらいました。
時間になるまでオフィス内で待機していました。
同じフロアにトイレもあったので待ち時間を利用して行くことができます。ホテル1階のエレベーター横にもありました。
そして、時間になったらガイドさん引率のもと参加者みんなでエレベーターで下まで降りていきました。
出発
ホテルを出ると、他の旅行会社のツアーバスも含めて何台かバスが準備されていました。
先ほど教えてもらったバスの番号を確認してバスに乗り込みます。
バスの座席は指定です。というのも、今回は、英語、中国語、日本語の3グループが同じバスに乗っていて、それぞれのグループで説明を行うためです。
予定より少し遅れてバスは出発しました。
さっそくガイドさんが、事前にもらった下記のパンフレットを使いながら、今回のツアーで巡る場所や韓国戦争(朝鮮戦争)の歴史などを説明してくれます。出発直後のこの時間が一番時間があるためここでじっくりと説明をしてくれます。
ソウルから今回のツアーの目的である軍事境界線付近までは約1時間ほどの距離しかなくガイドさんの話を説明を聞いているうちにあっという間でした。
車中、北朝鮮が挑発し脅すときに使う「ソウルを火の海にする」という言葉について考えていました。
北朝鮮側のDMZ付近に配備されたロケット砲から数千発を同時発射させソウルを攻撃することができると言われていますが、それを可能にするのはこの距離の近さにあります。
今回、この距離感をはじめて肌で感じると、北の脅し文句もあながちハッタリではないと思えてしまいます。
DMZ周辺の施設見学
ツアー午前中はDMZ周辺の施設の見学を行います。
軍事境界線の手前に、非武装地帯(DMZ: Demilitarized Zone)と呼ばれる南北2㎞ずつ(幅4㎞)に渡って敵対的行為や軍事行為を行わない緩衝地帯が設けられています。
最初に訪れた臨津閣はDMZの手前にあり民間人も自由に行き来することができる場所です。
臨津閣
臨津閣(イムジンカク)とは、軍事境界線の南に約7㎞の場所に位置する朝鮮半島の統一を願って建てられた観光地のことを指します。
平和を祈る場所であるとともに離散家族が北朝鮮に残された家族を思い集まる場所でもあると言います。
ここには、展望台のほか、自由の橋、南北を走っていた当時の機関車などがあります。
自由の橋は、1953年休戦協定を結んだ直後に、北側にいた韓国人捕虜の帰還に利用された橋で、「自由万歳」と言って帰ってきたことからこう呼ばれています。
こちらは臨津閣の見どころのひとつとなっている戦争時に破壊された京義線の蒸気機関車です。
無数の銃弾を浴びた跡が残っています。
平和への祈りが記された短冊。
臨津閣にはお土産屋さんも何軒かありました。DMZ関連のお土産を買うことができます。
ここは特別な許可なく個人でも行くことができる場所のため、韓国人の観光客も多く小さな遊園地も併設されていました。
都羅山駅
都羅山駅(トラサンえき)は、韓国と北朝鮮を結ぶ京義線の韓国側最北端の駅です。
下の絵の通り、ソウルから56㎞、平壌から205㎞の場所に位置しています。
都羅山駅では写真撮影の制限がありました。ガイドさんがこっちの方向は写真撮影NGです等と教えてくれます。駅構内などは大丈夫でした。
こちらが駅の外観です。
将来、南北の鉄道が連結された場合、ここが北朝鮮に向かう際の始発駅になります。出入国管理や税関などの施設も整っていると言います。
観光施設のような場所ですが、実際に駅として使用されており、ソウル駅からDMZトレインという観光列車も通っています。料金を払えばプラットフォームにも上がれるとのことでした。
2002年にアメリカのブッシュ大統領がここ都羅山駅を訪問したときの写真なども展示されていました。
「To Pyeongyang 平壌方面」と書かれたこの場所は人気の写真撮影スポットのようです。
都羅展望台
都羅展望台(トラてんぼうだい)は、軍事境界線の最北端に位置し、北朝鮮の人々の姿を見ることのできる展望台です。
上の写真は、以前使われていた旧展望台で、新しい展望台は駐車場から坂道を約10分くらい歩いた場所にあります。
展望台にある北朝鮮方面を見渡せる望遠鏡は無料です。
旧展望台では床にフォトラインが引かれており望遠鏡から少し離れた場所からしか写真撮影できなかったようですが、現在の新しい展望台のほうは、それもなくなり望遠鏡の場所から自由に写真撮影することが可能になっていました。
展望台のある建物の中には展示物などもあります。
展望台には無許可で入ることはできないためツアーへの参加が必要になりますがここも観光客が多かったです。
第三トンネル
続いて訪れたのは、第三トンネルです。DMZ観光の中でもメインとなるような場所です。
韓国の軍事境界線付近にて、北朝鮮が軍事境界線を越えて韓国を侵攻するため秘密裏に掘り進めた南侵トンネルが現在のところ4つ発見されています(未発見のものもまだあるのではないかと言われています)。
第三トンネルは、1978年10月17日に発見されたそのうちのひとつです。ソウルまで約44㎞の場所で、地下73mの地点に彫られた、幅2m、高さ2m、長さ1635mのトンネルを通り軍事境界線200mの地点まで到達でき、1時間に3万人の兵力を送り込むことができると言います。
まずは、南侵トンネルについての簡単な映像を見てからトンネルへと入ります。
トンネル内の写真撮影は禁止で、カメラや貴重品などはロッカーに預けることになります。
トンネル内では、ヘルメットをつけて入ることになります。身を少しかがめた姿勢でないと進めない場所もありました。
多少歩くことになるの体力に自信のない方は、最後まで行かず途中まで行って戻ってくることをおすすめします。ツアー自体の観光に制限時間もあるので、時間が無くなり最後坂道を走って戻らなければならずけっこう大変でした。
トンネルの外には、お土産屋や、平和を祈るモニュメントなどの写真撮影スポットやなどもあり記念撮影に興じる観光客の姿も多くみられました。
平和な風景が広がる一方で、下の写真のトイレ脇の小道の先は地雷マークが張られ中に入れないようになっているなど、緊張感のある場所でもありました。
統一村
次に立ち寄った統一村(大成洞自由の村)は、軍事境界線から約500mの場所にある民間人統制区域内にある唯一の村です。
この地域に住む住民のほとんどは農業を営んでおり、納税や兵役の義務がないため所得水準が高く年収1,000万円近くにもなのだと言います
兵役逃れを目的とした移住を防ぐため男性の移住は禁止なのだそうです。
訪れたのは村そのものではなく、観光客が立ちよるための土産物屋兼休憩所のようなところです。
ここでは村内で収穫された農作物などが販売されています。
DMZ米も販売されていました。
臨津閣に戻り昼食
統一村を出て、12時30分頃に、昼食をとるため最初に立ち寄った臨津閣へと戻りました。
この並びにあるお店で昼食をとりました。
昼食はプルコギをいただきました。
どのメニューにもキムチなどがついてくるのは韓国のほかのお店と同じです。
プルコギは大きな鍋に煮込まれていて思った以上に本格的で味も美味しく満足でした。
いよいよJSAへ
昼食後、いよいよ今回のツアーのメインイベントであるJSA・板門店へと向かいます。
臨津閣からあっという間の距離です。
検問で、パスポートチェックに来る軍人を待つ間、国連軍のゲストであることを証明するバッジが配布されます。
キャンプ・ボニファス
車内に乗り込んできた軍人のパスポートチェックを受けキャンプ・ボニファスへとバスは進みます。
キャンプ・ボニファスは、板門店の入り口に設置された国連軍の軍事基地です。板門店で発生したポプラ事件(1976年8月18日に共同警備区域内のポプラの木を監視の邪魔になるとして剪定作業に携わった米軍将校二名が北朝鮮軍兵士に殺害された事件で斧蛮行事件とも呼ばれる)で亡くなったボニファス大尉を偲んで名前が付けられています。
ここには、JSA VISITOR CENTERなどがあり、このなかでツアーについての国連によるブリーフィングがあります。
ブリーフィングといってもJSAや板門店についての簡単な映像を見せられるだけです。
映像を見た後、ここで宣言書にサインを求められます。
上の方には、
事変・事件を予期することはできませんので国連軍、アメリカ合衆国及び大韓民国は訪問者の安全を保障することはできませんし、敵の行う行動に対し、責任を負うことはできません。
と、書かれています。
また、最後には、
敵の挑発による本人及び同伴者の身体・財産上の被害に対する補償は請求できないことを確認します。
と、命の保障はありませんとはっきりと記されています。
この宣言書は、ツアーが何事もなく終了したらあとから返却してもらえます。
このブリーフィング終了後、施設内にあるトイレに行くことができます。ここが板門店へ行く前最後のトイレ休憩です。
板門店
今まで乗って来たツアーバスから国連のバスに乗り換えて板門店へ向かいます。ケータイ、カメラ以外の荷物はツアーバスのほうに置いて行くことに。財布やパスポートは可。
キャンプ・ボニファスから共同警備区域までの間は、事前のガイドさんの説明や上記宣言書では写真撮影禁止となっていましたが、バス車内から自由に写真を撮ってよいとのことでした。
バスの中から撮った写真です。
このあたり一帯は自然が広がっていました。
共同警備区域という緊張感のある場所とは対照的なのどかな風景が印象的です。
自由の家
JSA内へと入ったバスは、自由の家の前で止まりました。
自由の家は、1965年に国連側が訪問客用に設立した展望台です。
バスを降り、自由の家の中へと入ります。こちらが中の様子です。
このガラス扉を抜けた先に、板門店といったときに多くの人が想像するであろうあの青い建物があります。
この風景ですね。
北朝鮮側の建物・板門閣には、軍人の姿は見られませんでした。
また、この場所で警備にあたる軍人も北側に背を向けよく見ると武器を携帯していませんが、これは以下と関係があるようです。
2018年10月からツアーが中止されていたのは、JSAの非武装化を進めるため監視所や銃器の撤収を行っていたようで、今回のツアーは板門店が非武装化されてからの初めての開放という時期にあたるようです。
以前はヘルメットとピストルを携えた軍人が北側と睨み合うように対峙していたのを考えると、この日は危険な雰囲気やそこまでの緊張感は感じませんでした。
ちなみに、ここ板門店にいる軍人はみなエリートで、国連軍と一緒に仕事をするため英語が堪能で、北側や南側の訪問者に見せるという意味合いもあってイケメンが多いというのは有名です。
これまでは、南側の自由の家から北側の板門閣方面へと伸びる階段を降りるのは禁止されていたりカメラを向けることができる角度や位置など厳しい制約があったようですが、今回のツアーではそのような制約はなくかなり自由に写真を撮ることができました。
上の写真の自由の家と青い建物の間の先が、2017年11月13日に、北朝鮮兵士が亡命を図って走っていった場所にあたります。
本会議場
下の写真の腕を組んだ軍人の横の扉が軍事停戦委員会本会議場の出入り口です。
本会議場の中の様子です。会議場の中には案内役以外の軍人の姿はありませんでした。
会議場内のテーブルや椅子に手を触れてはいけません。
テーブル上のマイクのラインが南北の境界線です。この会議場内でのみ南北を行き来できます。
会議場外のこのコンクリートを境に南北の境界線になっており、左側の石が敷き詰められた方が韓国側で右側の砂が敷き詰められた方が北朝鮮側です。北朝鮮側に入って撮った写真です。
記念植樹
続いて、2018年4月27日に行われた南北首脳会談で、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が記念植樹を行った松の木の場所にも案内されました。
右側に金委員長、左側に文大統領の名前がハングルで記されています。
徒歩の橋
同じく2018年の南北首脳会談で、文大統領と金委員長が二人だけで会話をした徒歩の橋(徒歩橋、青い橋)も見ることができます。
この橋の奥が二人が話をした場所ですが中までは進むことはできず入ることができるのは手前までです。
このように新しい場所が見られるようになっている代わりに、現在は、ポプラ事件の現場や帰らざる橋(1953年の停戦後捕虜の交換が行われた橋で南か北かどちらかを選択したら二度と戻れないことからこう呼ばれている)などはツアーでは行けないようです。
ソ連大学生越境事件の慰霊碑
1984年11月23日に、北朝鮮の板門店ツアーに訪れていたソビエトの大学生が軍事境界線を越えて南に侵入(亡命)した際に、北朝鮮軍兵士が境界線を越えたために衝突に発展し死者が出るという事件に発展しました。
こちらがその犠牲者の慰霊碑です。
最後にこの慰霊碑に案内され板門店での見学は終了しました。
ツアー終了
板門店での見学を終え、国連のバスでキャンプ・ボニファスのビジターセンターまで戻りました。
ここでちょっと休憩があり、国連のバスからもとのツアーバスへと乗り換えソウルへと戻りました。
ここには寺や鐘などの写真撮影場所も少しあります。
ツアーに参加した感想
以上が、ツアーの様子になります。
JSAを後にし、集合場所であったプレジデントホテルに戻って来たのは午後5時くらいでした。
朝からほぼ丸一日のツアーでしたが、非常に見応えがあり、大満足でした。
ツアーの参加は難しい?
このページの最初のほうでも触れましたが、やはりこの板門店ツアーへの参加はタイミングに左右されるという側面が強いです。
自分の行きたい日にツアーがなかったりすることも少なくないため、ツアーに参加したいという気持ちがあって、希望日に申し込みできそうなら行ったほうがいいと思います。
次の機会となると、絶対に行けるという保証はないですからね。
ツアー内容について
本文中でも少し触れたように、板門店自体が非武装化されたのに合わせて、再開されたツアーのほうもこれまであったような制限が少し緩和されているようです。
ツアー参加時は、ツアー自体についていろいろ試験中の時期だったようで、今後、もっといろいろ見られるようになるかもしれないし逆に見られなくなる可能性もあるということだったようです。
ガイドさんが話していたことで、どこまで正確な話なのか分かりませんが、北朝鮮側の板門閣の近くまで行けるようになるという話もあったものの、2019年2月のベトナム・ハノイでのトランプ大統領と金正恩国務委員長による米朝首脳会談が上手くいかなかったことでその話は流れたとのことです。
2019年の10月からまたツアーは中止になると言っていました(ガイドさん談)。
ガイドさんによると、この日はこれまで見れなかった場所が見れたり写真NGだった場所がOKになっていてラッキーだと話していました。
確かに、ツアー参加前は、写真撮影の制限などはかなり厳しいという印象を持っていましたが、実際はけっこう自由に撮らせてもらえたと感じます。
1日のツアーでしたが、朝鮮戦争や韓国という国自体に改めて興味を持ち直すきっかけになり参加して本当によかったと思います。
以下、今回参加したツアーのリンクを再掲していおきます(リンク先はKKday)。
【日本語ガイド】韓国:38度線・板門店を訪ねる1日ツアー(ソウル出発) 板門店+第3トンネル観光プラン (07:40 ソウル プレジデントホテル President Hotel 乗車)
Q&A
板門店ツアーについて自分が参加する前に疑問に思っていたことを中心にQ&A形式でまとめました。
できます。
実際に自分がツアーに参加したときは、1人で参加している人と2人ぐらいで参加している人の比率は半分ずつぐらいでした。
選べます。ただ、中には初めから英語ガイドのツアーとして募集しているものもあるので申し込みの際には注意しましょう。
また、日本語ガイドのツアーに申し込んでも日本人の参加が少ない場合は参加キャンセル扱いになったり英語ガイドのグループに回されたりします。
今回自分が参加したツアーは日本語ガイドでしたが、説明する内容も多少日本人向けの話をしてくれるし日本人の扱いにも慣れているという感じで進行は非常にスムーズでした。
なので、可能な限り日本語ガイドのツアーに参加するのがよいと思います。
ツアー参加者のなかで、服装のことで指摘を受けている人はいませんでした。そこまで厳しくチェックしていないようでした。
Tシャツ、色落ちして穴の開いたジーパン、大きなブランドのロゴが入った服、真っ赤なスニーカー、大きなサングラス、金髪、など様々な格好の参加者がいましたが何も指摘されていませんでした。
服装のチェックは、当日担当する軍人の裁量が大きいそうなので、軍人によって厳しい・甘いなどもあるようです。
ただ、ツアー参加時の注意事項として服装の指示がされている以上それに従ったほうがよいと思います。
DMZ周辺の立ち寄った場所にはすべてトイレがありました。
本当に行けなくなるのは板門店見学中の約1時間程度なのでそれほど心配する必要はないと思います。板門店に行く直前にトイレに行けます。
板門店(JSA)にあったお土産屋はなくなったとガイドさんが言っていました。
臨津閣や第三トンネルなどのDMZ周辺の施設にはお土産屋さんがあります。見学時間が短かったりすることも多いので、買える時に急いで買っておいたほうが良いと思います。
板門店ではなくあくまでもDMZなので、北朝鮮のものはほぼなかったように思います。韓国の古いお札などは売っていましたが北朝鮮のものはありませんでした。
今回のツアー全体で荷物検査はありませんでした。
荷物の持ち込みが制限されている場所にはカバンなどは持ち込めません。
ちなみに、北朝鮮に入国する際は、データの中身までチェックされるそうですが、板門店ツアーではそのようなことはありません。
参考書籍・映画
最後に、板門店や朝鮮戦争関連の書籍や映画を紹介します。
池上彰『池上彰が聞く韓国のホンネ』
朝鮮戦争などの韓国の歴史や現在の社会の実情から、徴用工やレーダー照射などの最近の日韓の問題などに触れながら、韓国や日韓の関係などについてざっくりと学べます。
芝豪『朝鮮戦争』
日本の小説家・芝豪(しばごう)氏による朝鮮戦争を題材とした歴史小説です。上・下巻1,300ページ超の圧倒される内容です。
五味洋治『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』
朝鮮戦争の歴史や、日本との関わり、現在の日本の体制・制度に与えている影響などを知ることができます。
パク・チャヌク『JSA』
JSAを舞台にした南北の兵士の交流とそこで起きた射殺事件の真相を巡るストーリー。帰らざる橋など板門店を忠実に再現した映画セットはツアー後見返してみると面白いかもしれません。映画自体も素晴らしいです。
カン・ジェギュ『ブラザーフッド』
ブラザーフッド プレミアム・エディション/DVD/GNBF-7090
朝鮮戦争に翻弄される兄弟を描く。チャン・ドンゴン、ウォンビン主演で韓流ブームのなかで登場した作品という印象しかありませんでしがた、今回初めて観て見応えのある骨太な戦争映画でした。
カン・ウソク『シルミド』
金日成暗殺を目的に結成された特殊工作員部隊の実話をもとにした作品。53年の朝鮮戦争休戦後も南北の緊張は続いているという側面を知ることができます。