東京都千代田区にある東京国立近代美術館について紹介します。
企画展「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」に行って来ました。
この記事の概要
東京国立近代美術館の見どころと感想

東京国立近代美術館はどんなところ?
東京国立近代美術館(MOMAT)は、日本で最初に設立された国立美術館で、明治以降の近現代美術を体系的に紹介しています。約1万3千点に及ぶ所蔵品から、横山大観や岸田劉生などの代表作をはじめ、日本画、洋画、彫刻、版画、写真など幅広いジャンルの作品を展示しています。
常設展「MOMATコレクション」では、明治から現代まで150年余の日本美術の流れを通して体感でき、時代ごとの表現の変化や作家の個性を分かりやすく見比べられるのが特徴です。さらに特別展では国内外の多彩なテーマを取り上げ、多様な視点からアートに触れる機会を提供しています。
東京国立近代美術館へのアクセス(行き方)
東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩約3分。
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅4番出口より徒歩約15分。
東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線神保町駅A1出口より徒歩約15分。
見どころ・感想
「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」

東京国立近代美術館の特集展示「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」(2025年7月15日~10月26日)は、戦争画を中心に据えた企画展です。戦時下に描かれた記録性の高い絵画や資料を通して、戦場の光景や人々の姿がどのように表現され、記録として残されてきたのかを探ります。芸術と歴史が交わる場として、戦争画が持つ重みを実感できる内容です。

本展の大きな意義は、戦争画を単なる美術作品ではなく歴史を映す記録として再評価する点にあると言えます。国家の要請や画家自身の視点が交錯する作品群は、当時の空気を映し出す貴重な証言です。改めて展示することで、戦争の実相に目を向け、平和や記憶の継承について考えるきっかけを与えてくれます。

とりわけ印象に残った作品は、藤田嗣治の『アッツ島玉砕』です。

1943年、北太平洋のアッツ島で日本軍守備隊が全滅した悲劇を題材に描かれた作品で、兵士たちが入り乱れて戦う様子が画面いっぱいに展開されています。この戦いは新聞やメディアで「玉砕」の神話として大きく報じられ、人々の戦意高揚に利用されました。藤田の描いたこの作品は当時の観衆に熱狂的に受け入れられ、単なる記録を越えて、戦死者を悼む追悼の場となると同時に、「仇討ち」の気分を醸成する役割を果たしたのです。
戦争画を前にすると、その迫力や生々しさに圧倒される一方で、当時の画家のまなざしを強く意識させられます。単なる歴史資料ではなく、芸術作品としての完成度の高さも感じられ、記録と表現の狭間で揺れる複雑な魅力が伝わってきました。過去の戦争体験に向き合うと同時に、今日の社会に引き寄せて考える契機となり、美術館が果たす「記憶の場」としての役割を改めて実感させられる展示でした。
東京国立近代美術館の基本情報
東京国立近代美術館の場所の地図は以下の通りです。
住所 | 〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1 |
電話 | 050-5541-8600 |
観覧料 | 展示会により異なる |
開館時間 | 10:00~17:00 ※金・土曜日は10:00~20:00 |
休館日 | 月曜日、展示替期間、年末年始 |
公式HP | https://www.momat.go.jp/ |
おわりに
以上、東京国立近代美術館についての紹介でした。
東京へ行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。