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シンガポール映画『イロイロ』はフィリピン人メイドとの交流を描いた良作

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今回は、『イロイロ ぬくもりの記憶』(2013年)というシンガポール映画について紹介します。

シンガポール人一家とフィリピン人メイドの交流を描いた映画です。

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イロイロの作品情報

タイトル イロイロ ぬくもりの記憶
公開 2013年
監督 アンソニー・チェン
作品紹介 シンガポール出身アンソニー・チェン監督の幼少期の体験をもとにした、共働きの両親を持つ少年とフィリピン人メイドの交流を描いた作品。

イロイロの動画配信情報

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(※配信情報は2020年3月時点のものです。)

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イロイロの登場人物(キャスト)

ジャールー(コー・ジャールー/許家楽) いつも問題ばかり起こしているわがままな10歳の少年。共働きの両親の一人っ子。
テリー(アンジェリ・バヤニ) 幼い子供を国に残しシンガポールに出稼ぎに来ている28歳のフィリピン人メイド。
ジャールーの母(ヤオ・ヤンヤン/楊雁雁) 出産を控えながらも仕事を続けジャールーの行動にピリピリしている。
ジャールーの父(チェン・ティエンウェン/陳天文) 家電会社の営業職として働いていたがリストラされる。

イロイロのストーリー(あらすじ)

1997年、アジア通貨危機のあおりを受けたシンガポール。

共働きの両親を持つジャールーはいつも問題ばかり起こしているわがままな少年。

そんなジャールーの世話に手を焼く両親はフィリピン人のテリーを住み込みのメイドとして雇うことに。ジャールーはテリーに対し初めは反抗的な態度を示すも少しずつ心を開いていく。

その一方で経済悪化の影響で父親はリストラされ、出産を控えた母親も余裕をなくしていく…。

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イロイロの感想や見どころ

ここからは少しネタバレになります。

シンガポールの内実

透明感のある映像で静かな映画でした。音楽や過剰な演出がなく淡々と進んでいくところはドキュメンタリーのようでシンガポールの内実がリアルに描かれています。

フィリピン人のメイド・テリーを受け入れることになったジャールーの家庭は中華系の中流家庭。両親が共働きという設定や公団住宅(HDB)での生活はシンガポールの事情を反映したのものです。

また、家庭内で当たり前のように中国語と英語が併用されていることやド派手な葬式、全校生徒の前での鞭打ちの体罰などシンガポールならではの文化・慣習も随所にちりばめられていました。

メイド・テリーの姿を通してシンガポールにおける外国人労働者の問題も描いています。

テリーは仕事の初日にパスポートを取り上げられたり、メイドの給料だけでは故郷で暮らす家族にとって十分とは言えず焦りと苛立ちを感じています。そのままの名称で登場するラッキープラザで隠れて違法のバイトをしたり同郷のフィリピン人と情報交換する様子等を通して、出稼ぎ労働者が置かれた状況の一端を窺い知ることができます。

シンガポールの実状がリアルに描かれ大学の授業などで題材にできそうな映画です。

家族の崩壊と再生

本作が面白いのはシンガポールという国の内実や当時の情勢を描くと同時に、その中で生きるひとつの家族のリアルな日常も描いている点です。

共働きのため構ってもらえない息子は問題ばかり起こし、同じマンションでは飛び降り自殺が起きる。父親はリストラされたことを家族に言えず、母親は自己啓発セミナーに嵌る。家庭内のギスギスした空気を感じ取る息子はメイドのテリーにますます気を許しそれに嫉妬する母親。

この物語の世相や家庭内の不協和音は黒沢清監督の「トウキョウソナタ」(2008年)を想起させます。

「トウキョウソナタ」ほどはっきりとは描かれていませんが、この映画も家族の崩壊と再生がテーマのひとつであることは間違いないでしょう。終盤で父と母が隠していた秘密を打ち明けるシーンやラストのジャールーの涙、二人目の子供の出産は家族の再出発を匂わせています。

その他の情報

映画のタイトルとなっている「イロイロ」はフィリピンの都市の名前です。アンソニー・チェン監督の当時のメイドさんの出身地からとっているそうです。

また、エンディング曲でもあり劇中テリーがポータブルプレーヤーで聞いていた音楽は、ASINというフィリピンの有名なフォークトリオの「kahapon at pag ibig」という曲らしい。いい曲です。

おわりに

この映画の評価

以上、今回は、『イロイロ』という映画についての紹介でした。

シンガポールの内実とそこで暮らす家族の生活をリアルに描くなかなかの良作です。個人的にはかなり好みの作品でした。

シンガポールという国や海外に出稼ぎに行くフィリピン人に興味があるという人にとっては非常によい映画だと思います。

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