今回は、『立ち去った女』(2016年)というフィリピン映画について紹介します。
無実の罪で30年服役させられた女の復讐の旅を描いた作品ですが内容は非常に深いです。
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この記事の概要
立ち去った女の作品情報
タイトル | 立ち去った女 |
公開 | 2016年 |
監督 | ラヴ・ディアス |
作品紹介 | 第73回ベネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞した人間ドラマ。 |
立ち去った女の動画配信情報
Amazon Prime Video |
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Hulu |
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Netflix |
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TSUTAYA TV |
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U-NEXT |
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(※配信情報は2020年11月時点のものです。)
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立ち去った女の登場人物(キャスト)
ホラシア/レナータ/レティシア(チャロ・サントス) | 無実の罪で30年投獄されていた元教師の女。 |
ホランダ(ジョン・ロイド・クルーズ) | 性同一性障害の男。暴行を受け血だらけになっていたところホラシアに助けられる。 |
ロドリゴ(マイケル・デ・メッサ) | ホラシアの元恋人で地元の有力者。ペトラに殺人を依頼しホラシアにその罪を着せる。 |
ペトラ(シャマイン・センテネラ=ブエンカミーノ) | ロドリゴに依頼され犯した殺人の罪をホラシアになすりつける。 |
バロット売り(ノニー・ブエンカミーノ) | バロットを売りながら家族を養う男。ホラシアと出会い協力する。 |
立ち去った女のストーリー(あらすじ)
殺人の罪で30年間服役していたホラシアは、ある日突然、釈放を告げられる。刑務所内で知り合った友人のペトラが、殺人を犯しホラシアに罪をなすりつけたと自白したのだった。
ホラシアが30年ぶりに家に戻ると夫は亡くなり息子は行方不明になっていた。娘のミネルバと再会を果たしたホラシアは、自らを犯人へと仕立て上げた真の黒幕はホラシアの元恋人のロドリゴだということを聞かされる。
息子探しとロドリゴへの復讐の旅に出たホラシアは、行く先々でさまざまな者に出会いながらロドリゴに近づいて行く…。
立ち去った女の見どころ・感想
ここからは少しネタバレになります。
復讐の旅に出た女のロードムービー
映画は全編モノクロで3時間48分という大長編です。内容は30年間無実の罪を着せられたホラシアが復讐の旅に出るというもので、その旅の途上で様々な人たちと出会うロードムービーのような味わいとなっています。
ホラシアが出会うのは、貧しいバロット売りの男、物乞いの女、性同一性障害のゲイといった強烈な印象を与える社会的弱者と呼ばれるような人たちです。ホラシアと彼らとの交流を通して、貧困や差別などのフィリピンが抱える問題も随所に感じ取れます。
人間や社会の二面性を浮かび上がらせる
興味深く感じたのはこの映画はホラシアの単純な復讐劇とはなっていない点です。ホラシアは復讐を決意しますがその一方で旅で出会った社会の底辺にいる人たちに救いの手を差し伸べるという善と悪の二面性を示しています。
映画全体を通して見るとその至るところに人間や社会が抱える善と悪、聖と俗、光と影といった二面性を描いていることに気づかされます。そしてそのコントラストがモノクロ映像によって強調されるようになっています。監督のラヴ・ディアスはフィリピンの怪物的映画作家と言われているようですがその一端は感じ取れたと気がします。
おわりに
この映画の評価 |
以上、今回は、『立ち去った女』という映画についての紹介でした。
起伏の少ない静かな展開の長編であるにもかかわらず不思議と見入ってしまう非常に深い映画でした。
罪と赦しを大きなテーマとしておりフィリピン人の宗教観をよく知る人ならより深く共感し理解できるのではないかと思いました。
『立ち去った女』はAmazonプライムビデオで視聴可能です。Amazonプライムビデオでは30日間の無料トライアル期間があります。期間内に解約すれば料金は発生しません。