韓国・ソウルにある戦争記念館について紹介します。
この記事の概要
戦争記念館の見どころと感想
戦争記念館はどんなところ?
ソウル特別市龍山区にある戦争記念館は、1994年6月に開館し、先史から現代に至るまでの朝鮮半島における戦争と軍事について学ぶことができる記念館です。
その中でも朝鮮戦争が展示の中心となっています。
数多くの資料や展示物のほか、屋外には朝鮮戦争で使用された戦闘機や戦車などの大型兵器も展示されています。
戦争記念館へのアクセス(行き方)
地下鉄4号線三角地(サムガッチ)駅、12番出口から徒歩約5分。
見どころ・感想
屋外展示
記念館の正面入口前には朝鮮戦争停戦50周年に際して設置された巨大なモニュメントがあります。
そのモニュメントを挟むようにして38人の兵士たちの銅像があります。
間近で見るとすごい迫力です。
こちらは兄弟の像です。
戦争中、兄が韓国側の将校、弟が北朝鮮側の兵士という立場で再開したという兄弟の実話を元にして作成された銅像です。
映画『ブラザーフッド』(2004年)のモチーフになったとも言われている像です。
屋外には戦闘機や潜水艦などの大型兵器の展示もあります。
戦争歴史室
戦争歴史室では、先史以来の朝鮮半島での戦争の歴史が紹介されています。
こちらは亀甲船の復元です。
豊臣秀吉による文禄・慶長の役において、李舜臣率いる水軍がこの亀甲船を用いて撃退したとされています。
戦いの様子を描いた絵。
当時の朝鮮と日本の武器の比較の展示などもありました。
日本の植民地時代の独立運動に関する展示も多く見られました。
こちらは伊藤博文を暗殺した安重根に関する展示です。
合わせて読みたい-
【韓国】安重根記念館の見どころ・感想・基本情報
韓国・ソウルにある安重根記念館(安重根義士記念館)について紹介します。
こちらは桜田門事件の実行犯・李奉昌(写真上)、上海天長節爆弾事件の実行犯・尹奉吉(写真下)の展示です。
合わせて読みたい-
【韓国】李奉昌の銅像の見どころ・感想・基本情報
韓国・ソウルにある李奉昌の銅像について紹介します。
韓国戦争室
戦争記念館の展示の大部分を占めるのが韓国戦争(朝鮮戦争)です。多くの展示物と共に戦争の経過が時系列で分かりやすく解説されています。
北朝鮮の侵攻
1950年6月25日午前4時、北朝鮮軍の奇襲攻撃により、朝鮮戦争が始まります。
防御体制を整えていなかった韓国軍は敗退を重ね、わずか3日でソウルが陥落します。
それもそのはず、開戦当初における韓国と北朝鮮の軍事力の差は圧倒的だったことが示されています。
当初は戦闘機の不足により、素手で爆弾を投下していたことが紹介されています。
こちらは1950年6月28日から7月3日にかけての漢江の戦いと呼ばれる戦闘が3D映像と音声によって疑似体験できるようになっています。
その後、米軍を主体とする国連軍が投入されるも、南下する北朝鮮軍の勢いを止めることはできず釜山目前にまで追いつめられることになります。
国連軍の反撃
戦争の転機となったのが有名な仁川上陸作戦(オペレーション・クロマイト)です。
仁川に奇襲上陸し、北朝鮮軍の補給路を断ち、南北から挟み撃ちにするという作戦は成功し、その後の戦況を大きく変えることとなりました。
関連記事 韓国映画『オペレーション・クロマイト』は朝鮮戦争の仁川上陸作戦を描く
仁川上陸作戦によって勢いづいた国連軍は、陥落から3ヵ月後の1950年9月28日、ソウルを奪還します。
旧朝鮮総督府庁舎の前で太極旗を掲げる兵士。
その後、国連軍は38度線を越えて北侵し平壌を制圧するまでに至ります。
中国人民志願軍の介入
追い込まれた北朝鮮は中国に援助を要請します。
中国人民志願軍の介入が再び戦況を大きく動かすことになります。
こちらは中国人民志願軍の展示。人海戦術によって苦しめられたとあります。
国連軍と中国人民志願軍が初めて交戦した長津湖の戦い。
中朝軍の攻勢に押された国連軍は再び38度線以南に押し戻されることになります。
休戦交渉と停戦
その後は、両者一進一退の攻防が続くようになり、38度線付近では苛烈な高地争奪戦が繰り広げられました。
高地戦で戦場となった雪山が再現されていました。
関連記事 『高地戦』のあらすじ・感想・評価※朝鮮戦争を描いた傑作韓国映画!
砲弾を抱える兵士。
やがて戦闘は膠着状態になり、1953年7月27日、38度線近辺の板門店において、国連軍と北朝鮮、中国軍両軍との間で休戦協定が結ばれました。
海外派兵室
海外派兵室では、韓国軍の海外派兵の歴史が紹介されています。
中でも、ベトナム戦争での活動を紹介する展示が数多く見られました。
その他、アフガニスタンなどへの派兵を紹介する展示もあります。
国軍発展室
国軍発展室では、韓国軍の発展の歴史が紹介されています。
歴代の装備品や兵器などの展示もあります。
大型兵器展示
館内には朝鮮戦争で使用された大型兵器の展示もあります。
こちらはM46パットンと呼ばれる朝鮮戦争で活躍した戦車です。
戦争記念館の基本情報
戦争記念館の場所の地図は以下の通りです。
住所 | 29, Itaewon-ro, Yongsan-gu, Seoul |
電話 | 02-709-3139 |
営業時間 | 火曜日~日曜日 9:30~18:00 |
休み | 月曜日 月曜日が祝日の場合は開館、翌日が休館 |
入場料 | 無料 |
公式HP | https://www.warmemo.or.kr/Jpn/index |
おわりに
以上、ソウル・戦争記念館についての紹介でした。
ソウルへ行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。
合わせて読みたい-
【2019最新】DMZ・板門店ツアー参加レポートと感想【緩和あり?】
先日、韓国に行った際、DMZ・板門店観光ツアーに参加してきました。今回はツアーの予約から当日の様子までをレポートしたいと ...