カンボジア・シェムリアップにある東メボンについて紹介します。
かつて巨大な貯水池に浮かんでいた寺院です。
東メボンの見どころと感想

東メボンはどんなところ?
東メボンは、アンコールトムの東側に位置する、10世紀にラージェンドラヴァルマン2世によって建立されたヒンドゥー教寺院です。もともとは東西約7kmに及ぶ巨大な人工貯水池「東バライ」の中央に浮かぶ人工島に築かれ、創建当時は船で訪れる寺院でした。
寺院中央部には須弥山(しゅみせん:メール山)を象徴するように5基の煉瓦造りの祠堂が配置され、シヴァ神と王の両親や祖先が祀られています。祠堂の入口には精緻な砂岩彫刻が残り、階段を守る獅子像や、基壇の四隅に置かれた大きな象の石像も見どころです。現在は東バライの水が失われていますが、かつて水上に浮かんでいた壮大な姿を想像しながら巡ることができます。
東メボンへのアクセス(行き方)
オールドマーケットからタクシーやトゥクトゥクで約30分程度。
見どころ・感想
現在は陸地となった場所から東メボンへ近づくと、木々の向こうに煉瓦造りの祠堂が見えてきます。

今ではそのまま歩いて入れますが、創建当時、この一帯は巨大な人工貯水池「東バライ」の水面で、寺院は中央の島に浮かぶように建っていました。かつては船でしか訪れることのできない寺院だったとされています。
正面へ進むと、石段の先に複数の祠堂が重なるように見えてきます。

東メボンは須弥山を象徴する寺院山として造られ、中央部は高さ約3mの基壇の上に構成されています。石段を上りながら、次第に寺院の中心へと近づいていきます
上層へ進むと、中央と四隅に配置された5基の煉瓦造りの祠堂が姿を現します。

いわゆるクインカンクス(Quincunx)状の配置で、中央の祠堂を囲むように四つの塔が立つ構成です。赤褐色の煉瓦塔がまとまってそびえる景観は、10世紀の東メボンを象徴するものです。
さらに近づくと、中央祠堂の大きさがよく分かります。

高くそびえる塔は主に煉瓦で造られていますが、入口部分には砂岩が使われ、階段の両側には獅子像が配置されています。風化した煉瓦と、比較的細かな彫刻を残す砂岩部分との対比も印象的です。
祠堂入口がある東側以外には、実際には開かない石造りの偽扉が設けられています。

両側の柱や扉面には細かな文様が刻まれ、上部のリンテルにも植物文様を中心とした精緻な彫刻が残されています。煉瓦造りの塔を間近で見ることで、こうした細部の装飾にも目が向きます。
中央の祠堂群から周囲へ目を向けると、ラテライトや砂岩で造られた壁、柱、建物の基壇などが残されています。

現在は失われた部分も多いものの、こうした遺構から、5基の塔だけではなく複数の建物や周壁によって構成された寺院だったことが分かります。
境内で特に目を引くのが、大きな象の石像です。

一枚岩から彫り出された象には装具まで細かく表現され、堂々とした姿を今に残しています。東メボンでは基壇の四隅に象像が配置されており、寺院を象徴する見どころの一つとなっています。
さらに基壇に沿って歩くと、離れた場所にも象の石像が立っているのが見えます。

こうして全体を眺めると、象が単独の装飾として置かれているのではなく、各層の角を守るように計画的に配置されていることがよく分かります。
最後に石段の上から振り返ると、獅子像の間に現在の入口周辺が広がります。

今は木々と乾いた地面に囲まれていますが、創建当時はこの先に東バライの水面が広がっていました。現在の景色から、かつて水上に浮かんでいた東メボンの姿を想像するのも、この遺跡ならではの楽しみです。
東メボンの基本情報
東メボンの場所の地図は以下の通りです。
| 住所 | CWWC+J2H, Krong Siem Reap |
おわりに
以上、東メボンについての紹介でした。
シェムリアップに行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。
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