カンボジア・シェムリアップ近郊にあるバコンについて紹介します。
5層のピラミッドがそびえるヒンドゥー教寺院です。
バコンの見どころと感想

バコンはどんなところ?
バコンは、シェムリアップ近郊のロリュオス遺跡群にあるヒンドゥー教寺院で、9世紀に栄えた王都ハリハラーラヤを代表する遺跡です。インドラヴァルマン1世の治世下、881年にシヴァ神へ奉献され、アンコール地域で本格的な「寺院山」形式を完成させた初期の代表例として知られています
境内の中心には、聖なる須弥山(しゅみせん:メール山)を象徴する5層のピラミッド状の基壇がそびえ、その頂上に中央祠堂が建っています。周囲には煉瓦造りの祠堂が点在し、参道ではナーガの欄干、基壇では獅子や象の石像などを見ることができます。堀に囲まれた広大な伽藍を進みながら段階的に高みへ上っていく構成は、後のアンコール王朝の壮大な寺院建築へとつながる発展過程を感じさせます。
バコンへのアクセス(行き方)
プリアコーからタクシーやトゥクトゥクで約5分程度。
見どころ・感想
まず東側からバコンへ向かいます。濠を渡る長い参道の先には、木々の間から中央祠堂が姿を見せており、ここから一直線に寺院の中心へと進んでいきます。

参道の脇には、長い胴体を伸ばしたナーガの欄干が残されています。

先端の多頭部分には損傷が見られますが、こうした独立したナーガの欄干はバコンで現れた初期の例とされ、後のアンコール建築へ受け継がれていきました。
参道の脇に目を向けると、寺院を囲む濠が広がっています。

現在も水をたたえた部分が残り、緑に囲まれた静かな水面から、バコンが濠を伴う大規模な寺院として造られたことが分かります。
濠を渡って境内へ入ると、正面にバコンの中心となるピラミッド型の伽藍が現れます。

段状に積み上げられた基壇の頂上に中央祠堂がそびえ、寺院山としての全体像がよく分かる場所です。バコンのピラミッドは五層から構成されています。
さらに中央へ近づくと、参道の軸線とピラミッドの構成がよりはっきりしてきます。

左右には石造建築やその遺構が並び、その奥に中央祠堂が一直線に重なる景観は、中心へ向かって徐々に空間が高まっていくバコンの特徴をよく伝えています。
ピラミッドの周囲には、連子状の石窓を備えた建物も残されています。

黒ずんだ石材と明るい砂岩が入り交じった壁面には長い年月の痕跡が残り、中心のピラミッドだけでなく、その周囲にも多くの建築が配置されていたことがうかがえます。
いよいよピラミッド基壇の東側入口へ向かいます。

石造りの小さな入口をくぐると、その奥にはさらに上へ続く階段が見え、平坦だった境内から一転して、中央祠堂へ向かって高さを増していきます。
入口を抜けてさらに上へ進む途中、石造の開口部の向こうに中央祠堂の上部が姿を見せます。

厚い石壁によって塔が額縁のように切り取られ、中央へ向かって一歩ずつ近づいていくバコンの奥行きを感じさせる眺めです。
ピラミッドを上っていくと、急な石段の脇に風化した守護獣の像が残されています。

見上げる先には中央祠堂が姿を現し、段を重ねながら聖域の中心へ近づいていく寺院山らしい景観になっています。
最上段まで上ると、中央祠堂が目の前にそびえます。

入口へ続く階段の両側には大きな獅子像が構え、下から眺めた以上に力強い印象です。なお、バコン創建時の中央祠堂は失われており、現在見られる塔は12世紀に再建されたものとされています。
正面から回り込んで見ると、中央祠堂は角ごとに細かな装飾を重ねた立体的な姿を見せます。

石材には色の違いや風化の跡が残り、近くから眺めることで、遠景では分からなかった塔の複雑な造形がよく見えてきます。
中央祠堂付近から振り返ると、これまで歩いてきた参道と境内が眼下に広がります。

幾重にも重なる基壇や建物跡、その先へまっすぐ延びる東西軸を一望でき、バコンが広い敷地の中心にピラミッドを据えて造られた寺院であることを改めて実感できます。
バコンの基本情報
バコンの場所の地図は以下の通りです。
| 住所 | 8XPG+F29, Prasat Bakong |
おわりに
以上、バコンについての紹介でした。
シェムリアップに行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。
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