今回は、『ローサは密告された』(2016年)という映画について紹介します。
フィリピン・マニラのスラム街を舞台に麻薬密売の密告を描きながら社会の闇を告発する作品です。
映画を観るとドゥテルテ大統領が掲げる麻薬撲滅作戦の背景や問題の根深さが分かります。
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この記事の概要
ローサは密告されたの作品情報
タイトル | ローサは密告された |
公開 | 2016年 |
監督 | ブリランテ・メンドーサ |
作品紹介 | フィリピン人監督のブリランテ・メンドーサ(『囚われ人』)がマニラのスラム街を舞台に麻薬の密売に手を染めた住人が警察から搾取される負の連鎖を描く。 |
ローサは密告されたの動画配信情報
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ローサは密告されたの登場人物(キャスト)
ローサ(ジャクリン・ホセ) | フィリピン・マニラのスラム街でサリサリストアを営む。 |
ネストール(フリオ・ディアス) | ローサの夫。 |
ジャクソン(フェリックス・ローコー) | 長男。 |
ラケル(アンディ・エイジェンマン) | 長女。 |
カーウィン(ジョマリ・アンヘレス) | 次男。 |
ジョマール(クリストファ・キング) | 売人。 |
ローサは密告されたのストーリー(あらすじ)
ローサはフィリピン・マニラのスラム街でサリサリストアを営んでいる。夫のネストールはあまり仕事熱心ではなく店を切り盛りするのはもっぱらローサである。4人の子供たちを抱える二人は生活のため少量の麻薬の取引にも手を染めていた。
ある日、ローサ夫婦は密告され逮捕されてしまう。警察署へと連行された二人は保釈と引き換えに大金を要求される。金がないなら売人を売れと言われたローサは売人のジョマールを売る。逮捕された売人が警察署へと連れて来られると同じように金の要求をする警察官たち。ローサは売人を売ったのだから帰らせて欲しいと訴えるもジョマールらが払った金を差し引いた分の金額を要求される。
両親のいる警察署に駆け付けた3人の子どもたちは金を払わなければ二人は帰せないと告げられる。子どもたちは両親のために金策へと奔走する…。
ローサは密告されたの感想や見どころ
ここからは少しネタバレになります。
ドキュメンタリータッチでリアルに描く
この映画は実話を基にしたフィクションですがドキュメンタリータッチで非常にリアルに描かれています。
とりわけ、ローサ夫婦が警察に逮捕され保釈金を要求される一連の流れはその場に居合わせているようでもの凄い臨場感と緊張感です。
また、両親のため金策に翻弄する子供たちの姿もリアルです。子供たちは親戚を訪ね周り、テレビを売り、体を売って、必死に金の工面をします。これらの様子もまた家族の絆を何よりも大切にするフィリピン人の姿をリアルに描いています。
他にも、生活臭が漂ってきそうなマニラのスラム街や賭け事やゲームに興じるその住人達の様子など、映画のどこを切り取ってもリアルに感じました。
負の連鎖
映画が描くのは、ローサ夫妻が逮捕されてから保釈されるまでの短い時間ですがフィリピン社会における深刻な負の連鎖が見えてきます。
ローサは貧困から麻薬の密売に手を染めて逮捕されます。警察に要求された法外な金を払えず売人を売りますがそのローサもまた同じスラムの隣人に密告されているのです。
密告が密告を呼ぶその根源には腐敗し切った警察がいます。このような警察の腐敗もまた一部は貧しさから来るものでしょう(給料が安いため)。そこには貧しい者がさらに貧しい者たちから搾取するという構図も見て取れます。
麻薬が貧困と密告の連鎖の鎖になっているというフィリピンの深い闇が見えてきます。映画では、こうした負の連鎖はスラムという人と人との距離が近く狭い空間で生きている住人たちの日常を一変させコミュニティを崩壊させていくということも示唆しています。
問題の根深さ
映画の中でサリサリストアの店主であるローサが麻薬を扱っていたように、麻薬はマニラのスラム街での日常の中にごく自然に入り込んでいるものとして描かれています。そこで暮らす住人たちは生きていくために麻薬に手を染めざるを得ないため良心の呵責のようなものはありません(そんなローサも貧しさゆえに失われていた感情が沸き上がるラストシーンは見物です)。
また、取り締まる側のフィリピン警察の恐ろしいまでの腐敗っぷりも強調されています。法外な保釈金を要求するだけでなく売人から押収した麻薬を別の売人に横流しするなどやりたい放題です。
フィクションとは言え限りなくノンフィクションに近いこの映画を観れば、2016年に就任以来ドゥテルテ大統領が掲げる麻薬撲滅作戦の背景や問題の根深さが分かるのではないでしょうか。また、過激な発言をするドゥテルテ大統領の支持率の高さ理由の一端が分かると思います。
おわりに
この映画の評価 |
以上、今回は、『ローサは密告された』という映画についての紹介でした。
マニラのスラム街での密告による逮捕から保釈までの一連の出来事を描くことを通して、フィリピンという国が抱える根深い闇・問題を指摘した素晴らしい作品でした。
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